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河鍋暁斎展面白かったです

2017 年 4 月 8 日 Comments off

こんにちはー!
先日Twitterでも書いたんですが、河鍋暁斎展行ってきました。
うむむ、明治の浮世絵師、と言えばいいんでしょうか。
国芳の弟子で、ジョサイア・コンドルの絵のお師匠さん。
幕末の江戸から明治を生きた人だけあって、相当ワイルドです。
色々なことに興味があって、物凄くインパクトがある絵を描く人なんですが、でも案外かわいいケモノ絵も描いたり。人生もワイルドなエピソードにコト欠かない人ですなあ。

しかしながら、やっぱり展覧会は良いです。
実物のインパクトは全然違う。
細かいところとかじっくり見てしまいました。
特に市川は鍾馗様や鬼、達磨大師の絵とか好きだなー。
何気に大きな頭でちょっと短足、お腹ぽっこりの体型で、おっちゃんぽいところとか、まさに市川が大好きな感じ。鍾馗様の履いてるブーツ、作業服の地下足袋みたいだし!
半身達磨の絵なんて、ぶっとい眉毛にもじゃもじゃ髭、あぐらをかいたでっかい鼻、山賊みたいな顔してるのに目が可愛いくて、これまた市川が好きなタイプ。
何だろ、暁斎の描く人物の頭の骨の形が、市川の好みなんだと思います(何言ってんだwwwww)。

 

あ、そうだ!

 

『稚児男色絵巻』という暁斎が描いた男色春画が見られたのが良かったです。おっさんなお坊さん同士がおちんちん相撲してたり、お坊さんたちがお稚児さん相手にハッスルハッスルしてる春画でした。しかも最後にはあんなケシカランことに……wwwww 
これは実際に確かめてみてくださいませ♪

しかし、何で男色稚児絵巻なんだ。

 

しかしなー。
1年ほど前、勝川春章からはじまった、市川の中の浮世絵ブーム。
江戸・明治の浮世絵、の世界、ホントに興味深いですなあ。

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アクメ顔と掌編『かはつるみ』(3)

2017 年 3 月 22 日 Comments off

一日一アクメ顔スケ~~~~~ッチ!
本日のアクメ顔。
いや、もうアクメ顔とかわけがわからない(笑)。
でも、ホント、ビデオ男優さんの射精してる瞬間を参考にして描いてるから、アクメ顔であることは間違いない!
イク瞬間の顔。いろいろ見ていると、ホントにやっぱり微妙な顔の動きとか勉強になります。
くそ~~~~~、これからもっと勉強するぞ。
てか、もっと人間の表情全般を研究してみるといいかも。
日々精進ですなあ。

あとは角刈りが描きたかったので(笑)。
うむ、角刈りは難しい……。
これがセクシー!というのは頭の中にあるのに、いざ描こうとすると何かが足りない感じになっちゃう。
自分の心の中にある、『角刈りセクシー!』、な気持ちを伝えきれていない感じで、くうううううっ、何故だ!?何故俺のこの愛を伝えきれないのだ!?となるのでした。
スポーツ刈りのほうがキャラクターのセクシー感を伝えやすい……気が。
顔の形と髪型の微妙な関係なんですかね?

くふーーーーーーっ!
でも何だか『さぶ』っぽい雰囲気でアガる♪

 

さて!

江戸時代の価値基準にのっとって、『男色』『衆道』『陰間茶屋』『性別』『セクシャリティー』を考えてみたら、一体どうなるんだろう、と市川が疑問に思って書いてみた、掌編『かはつるみ』の第三回目。
とりあえず田積千代丸と田積主計編は終わりー。
面白くなったのでときどき書いてみようと思いますです。
エロは絶対ないけどねっ(笑)。

第一回と第二回はこちら~。
第一回
第二回

 

 

掌編「かはつるみ」(3)
-田積千代丸と田積主計の場合

****

 

主計は夜、文机に向かいながら考えていた。

 

 

念者念友、衆道のことなぞ、千代丸は全く分かってもいない。
本当にあいつはいつまでたっても子供だ。
父上と母上は来年、千代丸を元服させようと思っているらしいが、果たして本当にどうなることやら。
藩学に通って学問に精を出しているはずなのに、いまだに乳母のすずの話、戦国の世の冒険譚にうつつをぬかしているのも、子供じみていていけない。

 

 

酒席で叔父上が言っていた。

昔は衆道の関係がこじれて刃傷沙汰になることもあったのだと。

故に藩内では、衆道は好ましくない、というお触れが出たこともあるらしい。

戦国の世のように、命を賭して戦う戦場ならば、何をしてでも自分の背を守る人間、義兄弟がいてくれれば助かる。
命の問題なのだから。

けれども現代のような平和な世の中であれば、その必要はない。

ましては忠義は上様にこそ向けられるものであって、朋輩などに向けられるべきものではないのだ。そんなことをしていたら物事の順序、というものが狂ってしまう。「お伽噺」の上のことであればまだしも、現実の世界で衆道は今の世の中には少々「やっかいなこと」を引き起こしかねない。

それ故、平和な時代、忠義の心に無益な混乱を生じさせないために、衆道は好ましくないというお触れが出たのだろう。

無論、だからといって、若輩者を年長者が良き道にすすめるように手を引いてやる、そうしたこと自体に否やを唱える者は誰もいない。

 

 

確かに友の中には、真剣に念者念友の関係を結んでいるものもいる。

こちらは主従関係のような心の堅さを感じる。

お互い、人生の高きを目指し、相助けあっているような、男子の清いものを感じる。

あるいは城下でも知られた美形の前髪に「岡惚れ」しているものたちもいる。

彼らは前髪の清々しさにふわふわと心ときめいているように思われる。

甘やかな時間をそこに求めているのを感じる。

自宅の下女や商家の娘に入れ込んでいるものもいる。

こちらは少々軟弱な者達とみなされていて、その者らの家族は娘達に惑わされて腑抜けにされるぐらいなら、前髪の若者と契って凜としてくれるほうがマシだと愚痴をこぼしている。

心奪われて、うつつを抜かすのは、男子の本懐ではないのだ。

さまざまなものがいる。

ただ、主計には念者だの念友だのという関係は堅苦しくて、古くさいようにも感じられた。そして前髪の美形よりも、下女や商家の娘の方が魅力的に感じられたのだ。

もっとも、友の中にはまだ前髪を落とさないものもいて、そんな彼らが武芸にはげむ様子を見たとき、主計の下半身が妖しく疼くときもある。

そんな清々しい前髪に言い寄られたら悪い気はしない。

相手から想いを寄せられて、もし自分の気持ちも傾けば、念者念友の間柄になることはあるだろう。

娘達と前髪は別の話だ。

 

 

敬一郎と自分は親しい友だ。
けれども何故念者念友にならないのだろう。

俺は敬一郎のことをとても大事だと思っている。

けれどもそれは恋とは違うものだった。

どちらからもそんな話が出たこともなかった。

それだけの話だった。

 

 

父上は今宵も佐賀様のお宅にお泊まりのようだ。

漢詩の話が興じてしまったか、仕事の話が長引いてしまったか。

どうせいつものことだ。

 

 

父上と佐賀様は今でも『かはつるみ』を共にされるのでしょうか。

 

 

千代丸の幼い問いには笑ってしまった。

 

 

馬鹿馬鹿しい。

 

 

人間、そんなことをする気持ちになるのは前髪がある間だけだ。

前髪を落とした大の男が、ふたりでそのようなことをするワケがない。

そんな不自然なことがあるものか。

それにだ。

俺も敬一郎も、もう前髪のある子供ではなく、立派な大人の男だ。

ひとりの独立した、立派な人間だ。

 

 

その「前髪のない」敬一郎が今、突然主計に恋をうちあけたとする。

そんなとき、自分はどのように感じるだろうか。

何だか馬鹿にされたような、男として一人前だと見なされなかったような、とても侮辱されたような心持ちになるだろう。

 

 

けれども例えば敬一郎にまだ前髪が残っていたら。

あるいはまだお互いに前髪が残っていたら。

敬一郎の恋が真摯であれば、応えてやることもあるかもしれない。

敬一郎は朴念仁なところがあるが、かえってそれが素朴で清いものを感じさせる。

顔は間違っても女子のように美しいことはないが、男子らしい凜々しさを持っている。

応えてやることに否やは全くない。

そういうものだ。

 

 

本当に千代丸はいつまでも子供だな。

まるで人の道の道理が分かっていない。

 

 

主計はふふんと嗤った。

(了)

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アクメ顔と掌編『かはつるみ』(2)

2017 年 3 月 21 日 Comments off

一日一アクメ顔スケッチ!

今日はちょっとコミカル……?ですかね(;´Д`)

 

んでは、江戸時代の価値基準にのっとって「男色」「衆道」「陰間茶屋」「性別」「セクシュアリティ」を考えたら、どんな感じになるのかなーと思って書いてみた掌編『かはつるみ』の第二回。

エロ無しだよ!エロゼロ!

第一回と何でそんなもの書こうと思ったのよについてはコチラ
掌編『かはつるみ』(1)

 

 

****

掌編『かはつるみ』(2)

****

「知っているか?義兄弟はともに『かはつるみ』をすることもあるのだぞ、千代丸。特に念者念友の間柄にもなればな」

ある日、千代丸の兄、主計(かぞえ)がニヤニヤした笑いを浮かべて千代丸に言った。
主計は元々鶴福丸という名だったが、去年元服して前髪を落とし、名を改めて大人になった。
普通、大人になると年少の者と軽口を叩くことはなくなる。
けれども主計は生来お調子者なところがあり、いまだに千代丸をからかっては喜ぶ。

「かはつるみとは何でございます、兄上」

千代丸がそう聞くと、余計に主計はくつくつと含み笑いをした。

「まあ、お前だってそのうちにわかるようになる」

 

『かはつるみ』とはいかなるものだろうか?

 

ふと千代丸は考えた。
考えて主計に尋ねてみた。

「ならば、兄上は、敬一郎様と『かはつるみ』をされたことがあるのですか?」

主計は千代丸を見下すようにニヤニヤと笑った。

「俺と敬一郎はそんなことをしたことはないなア。俺達は兄弟分のような仲であっても、念者念友ではないからな。それにそもそもアイツは何事にも初心なところがある。『かはつるみ』なんて聞いたら卒倒しかねん」

佐賀敬一郎は佐賀家の長男であった。
千代丸と佐吉丸のように、主計と敬一郎は幼い頃から共に遊ぶ仲だった。
今はふたりとも元服してしまっていたが、相変わらず敬一郎の隣には主計が、主計の隣には敬一郎がいるのが日常だった。

「兄上、父上と佐賀様は幼い頃、とても仲が良かったとうかがっております」

「そうだな、父上は佐賀様の『懐刀』とも言われているしな。剣の道、学問の道、お若い頃からおふたりはともに研鑽を積んでいらした方達だ」

「父上と佐賀様は『かはつるみ』をされたのでございましょうか?」

「は?何を言っている?」

「おふたりは昔から兄、弟と呼ばれるほどの間柄であると伺っております。ならば兄上のおっしゃるように、ともに『かはつるみ』をしたこともあるのではないでしょうか」

「馬鹿」

主計は千代丸の言葉を聞いて、吹き出しながら言った。

「まあ確かに仲の宜しいおふたりだ、若い頃にはともに『かはつるみ』ぐらいされたかもしれないな」

「ならば今はどうなのでしょう。義兄弟の間柄のおふたり。今でもともに『かはつるみ』されるのでしょうか」

「しないしない、絶対にしない」

主計は最早笑いをこらえることは出来なかった。

「そんなものはどちらかにまだ前髪がある子供の頃までだ。ましてや前髪がとれた一人前の男がふたりで一緒に『かはつるみ』をしてたまるものか。前髪がない、元服をした、ということは、つまり立派な一人前の男になったということだぞ。そんな男がふたりして『かはつるみ』なぞするものか。考えても不自然だし、ぞっとする。ときおり前髪のない、元服した男同士でもそうしたことをしたがる『野郎好き』と呼ばれる物好きがいるそうだが、変な話だ」

千代丸は再び考えた。

 

相変わらず『かはつるみ』が一体何かは分からない。
けれども義兄弟のちぎりを交わした者同士が、少なくともどちらかに前髪があるときにだけやること。
一体そんなことがあるのだろうか。

 

そして言った。

「そうは言っても、佐賀様と父上は若い頃、ともに『かはつるみ』をしたことを懐かしく思われることぐらおありでしょうね。ならば今でも『かはつるみ』を共にしたいとお考えになられることもあるのやもしれませぬ」

千代丸が至極真面目にそう述べると、主計は腹を抱えて笑い転げた。

「はははははは、今でもだと?前髪も落とされて、立派な男となられたおふたりが、そのようなことを思うものか。千代丸、お前は本当にまだまだ子供だな。何も分かっていない。前髪がないおふたりがそんなことをしたら、それこそ奇っ怪だ。珍妙だ。奇妙奇天烈だ。それともお前は父上や佐賀様が『野郎好き』なる者だとでも言うつもりか?はははははは、世の中にそんな道理はない。そんなことがあるものか」

千代丸は何故主計がそんなに笑い転げるのか、一向に分からなかった。

 

今宵も父上は佐賀様のお屋敷にお出かけになられた。
仕事の話をしたあとで、夕食をともにされるのだろう。
そのあとは酒など飲み交わしながら楽しく話をされるのだろう。
そして今宵もまた父上は帰宅が遅くなるか、あるいは佐賀様のお宅に泊めて頂くことになるのだろう。

千代丸は素直に考えていた。

そんなにも仲の良いおふたりなのだから、遠い日に、ふたりでともに行った『かはつるみ』が懐かしくなることもあろうと。

『野郎好き』なる者たちは、前髪のない、一人前の男同士で『かはつるみ』をするものらしい。
主計の言葉を考えると、それは珍妙なことらしかった。

確かに父上と佐賀様が『野郎好き』なるものとは思えない。
根拠は何もないのだが、おふたりが『珍妙なるもの』などということはありえないからだ。
それでも仲の良い義兄弟ならば、遠い日に共にした『かはつるみ』を懐かしく思う気持ちぐらいはあるかもしれない。

千代丸はそう思った。

『かはつるみ』がいかなるものかは分からない。

千代丸と佐吉丸も、近い将来、ともに『かはつるみ』をするのだろうか。

 

父上は。
父上はやはり今宵は佐賀様のお宅に泊まるのだろう。

 

<つづく>

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